アニサキス・アレルギー戦記

Pickup 未分類 アニサキスが寄生するオキアミやさば、かつおなど。アニサキスアレルギを起こすアニサキスの感染経路(生活史)と寄生状況の図。
  • 2019.05.27

 物書きとして独立して35年余り、原稿執筆は基本的に朝型で、外出の予定のない日は朝6時か7時に起きて、自宅の仕事部屋で机に向かう。集中力を維持してぶっ続けで根気よく、というのが平気なたちだ。夕方まで休みなくという日が多い。  朝から9時間以上も文字と格闘すると、頭はふらふら、目はしょぼしょぼで、そろそろ限界だ。夕刻、今日はここまでと打ち切って、車のハンドルを握る。目的は夕食の食材探しで、近くの魚屋 […]

南極大陸の空に散った日本人ツアー客の生涯

  • 2023.06.13

 取材して記事を書くという仕事に就いたのは、30歳と9カ月の1977(昭和52)年4月、月刊『文藝春秋』の契約取材記者となったときだった。編集長は、『週刊文春』編集長に異動となった田中健五さん(後に文藝春秋社長・会長)と入れ替わりに、『週刊文春』編集長から月刊『文藝春秋』に転じた半藤一利さん(後に文藝春秋専務を経て作家)。以後、83年10月に書き手と一本立ちするまで6年半、『文藝春秋』でお世話にな […]

酒と政治家

  • 2022.11.03

    取材を通して日本の政治をウォッチするようになって45年余になる。いろいろな政治家の生き方を見聞きしてきた。  1940年代から60年代前半にかけて活躍した大野伴睦(元自民党副総裁。元衆議院議長)という大物政治家がいた。1964(昭和39)年に73歳で人生を終えた。   死の直前、担当医が酒好きだった大野さんの最後の願いをかなえてやろうと思い、「ビールを1杯だけ」と許可を与えた。それを聞いた […]

「人生の師」の3冊の本

  • 2021.07.01

 仕事柄、たくさんの本のお世話になってきた。だけど、正直なところ、もともとは本好きでもなければ、読書家でもないと思っている。本を読むのは、多くの場合、自分の原稿執筆や講演の準備に必要な研究や調査、資料としての活用、「書評を」という依頼を引き受けたとき、あるいはノーハウの学習や知識の吸収などが目的だ。 それでも、読みたくて手にする本もある。何といっても、人物に関する著作だ。自伝、評伝、一代記、列伝な […]

土佐人のしっぽ

  • 2019.07.08

 大分県の豊後高田市と岡山市の西大寺という二つの町を訪ねたことがある。 豊後高田は町起こしで昭和30年代の商店街を昔の姿によみがえらせた。1965(昭和40)年8月に廃線となった大分交通宇佐参宮線の旧豊後高田駅(現在は高田バスセンター)の前から、新町、中央通りにかけて、市内を流れる桂川の川べりまで、約 500メートルにわたって、昭和30年代のままの町並みが続く。  鉄道が消えた後、さびれる一方で、 […]

隠密日本脱出と3枚の航空券

  • 2019.04.09

   活躍中のノンフィクション作家の門田隆将さんは同じ高知県の出身で、中学、高校も同じ中・高一貫教育の私立土佐中学、土佐高校である。といっても、こちらは13年も先の卒業で、初顔合わせは高校を出て18年余りが過ぎてからだった。   私は1983(昭和58)年7月に第5回講談社ノンフィクション賞を受賞し、その年の暮れにフリーの書き手として独立したが、その直後、「『週刊新潮』編集部の門脇護です。土佐高の […]

「満州の妖怪」取材の思い出

  • 2019.04.07

  取材の現場で政治の観察を始めたのは1977(昭和52)年4月、月刊誌『文藝春秋』の契約記者となったときからで、30歳だった。  2ヵ月が過ぎた6月半ば、編集長の半藤一利さん(後に文藝春秋専務を経て現在、作家)と編集部の中井勝さん(後に『文藝春秋』編集長。現在、作家)から、「岸信介元首相の人物研究をやる。取材チームに」と指示された。時の首相は「岸の直系」といわれた福田赳夫さんで、政権を担って半年 […]

鎌田慧さんに教わったこと

  • 2019.03.04

   かつて新潟県に塚田十一郎さんという政治家がいた。   私は40年以上、政治の世界をウォッチしてきて、最高権力に到達する人、闘いに負けて去っていく人、浮沈を繰り返して生き延びる人、あるいは疑惑が露見して拘置所の塀の内側に落ちる人など、数多く見てきたが、塚田さんはこれらの人々とは違った意味で波乱万丈の生涯を送った政治家である。   今か […]

岸信介さんの「健康法」

  • 2019.02.11

 戦後の首相は東久邇稔彦さんから現在の安倍晋三首相まで、全部で33人だが、この中で病気が原因で政権の座を離れたのは、石橋湛山さん、池田勇人さん、大平正芳さん、小渕恵三さん、1回目の首相の安倍さんの5人だ。 石橋さんは風邪からの肺炎と脳梗塞、池田さんはがん、大平さんは心筋梗塞、小渕さんは脳梗塞、安倍さんは潰瘍性大腸炎だった。 安倍さんは1回目、2006(平成18)年9月26日に首相となり、約1年後の […]

「嵐を呼ぶ男」

  • 2019.01.07

「嵐を呼ぶ男」とからかわれる。映画『嵐を呼ぶ男』で主役を演じた石原裕次郎のような雨男でもないのに、講演の日、台風や集中豪雨、大雪、地震などによくぶつかるからだ。  2018年12月までで計 360回を超えた時事通信社の内外情勢調査会の講師は、1993年1月の北海道の帯広市と釧路市が皮切りだが、釧路沖地震の直後の猛吹雪の日だった。95年1月の阪神・淡路大震災の日も、京都市で講演の予定があった。  2 […]